14 – 59 完敗だった。
2027年ワールドカップオーストラリア大会への出場を確定している香港代表にとっては心が折れる大敗だった。実は僕は試合前には内心「もしかしたら?」という期待を抱いていた。まさか勝つことはないだろうが接戦を予想していた。2023年フランス大会で日本が上位12位を決めたことでアジア枠」1」が巡ってきた。その1枠を競って戦ったアラブ首長国連邦、韓国戦をみてその可能性を過大評価していたのかもしれない。ラグビーに番狂わせはない。強い方が勝つ、ラグビーの常識だ。野球やサッカー水泳や陸上などでたまに見る大逆転劇みたいなどんでん返しはラグビーの試合ではまず起こらない。(但し2015年の南ア対日本を除く)
この日のJAPAN XVは前半の前半から出力全開だった。ラインアウトからバックス展開してアウトサイドセンターが少し内に切れ込んだ。香港のセンター同士がディフェンスで重なった瞬間のギャップをついてやすやすとディフェンスラインの真ん中を抜かれてポスト横に先制トライを決められた。開始3分ほどの出来事だった。その後もJAPAN XVのスピードとオフロードパスの精度、ボールキャリアのフォローなどすべての項目で圧倒した。驚いたのはJAPAN XV全員のスタミナだ。後半の後半になっても疲れた様子はまったくない。スピードがまったく落ちていなかった。走り切ってトライを決めたあともケロッとしている。当然だろう。2年後のワールドカップ代表とい栄誉を目前にしてアピールぎ必要な連中の集まりだ。その必死さは伝わってきた。香港は14-59完敗だった。

試合翌日 Happly ValleyにHong Kong リーグ戦のValleyを応援に出かけた。ピッチ脇で試合をみているとTHP Faisal Solomona が応援ありがとうと言ってきた。そして試合で履いてたブーツ見たか?と聞いてきた。僕が日本で買ってきてあげたアシックスのブーツを履いていた。「ちゃんと見てたさ」と笑っていうと笑顔で「Thank You」と笑った。スクラムはどうだった?聞くと少し顔をしかめて「Solid and quite low」と言ってた。実際試合中になんどもスクラムでコラプシングのペナルティが何度もあった。セットピーズが落ち着かないのは致命傷だ。イエローカードも受けたしゴール前でPGを選択されずにラインアウトからトライを決められる屈辱も味わった。
それでも僕はこのチームが大好きだ。友人が何人もいる。PR SUNIA FAMEITAU、PR FAIZAL SOLOMONA、LO KYLE SULLIVAN、 No.8 LUKE VAN DER SMIT、 WTB GUY SPANTON、試合の後もバックスタンドの最前列で応援しているところまできて握手してくれた。頑張れぇ~香港!心からエールを送るよ。
女子ラグビーワールドカップ イングランド大会が始まった。セブンスも含めてサクラの戦士達をずっと応援している。サクラフィフティーンが香港で試合をする際には必ずグランドで応援してきた。昨夜8時から始まった初戦は世界ランキング5位のアイルランド。ピッチに入ってくる様子が映し出された選手達のなんとデカいことか!それにしても前半はみんなカチコチに緊張していたように見えた。このチームは香港や北九州で観てきたけどその時の様子とは全然違ってみえた。そりゃそうだろうなぁワールドカップだもんな!イングランド大会だもんな!多めに見てあげないとと思っている間に2本のトライ、ゴールを決められた。きっと自分たちが何をしているのか分からずに考える間もなく体が動いてしまっているようだった。それでもゴール前に迫った局面ではきっちりと自分達のラグビーができていたししっかり大柄なアイルランド相手に十分に戦えていた。惜しかったのは後半の1トライ差まで追い上げてられると迫ったゴール前でのインターセプト、タラレバではあるけどあのインターセプトがなかったらもしかしたら?と思える試合だったと思う。来週の vs ニュージーランド戦ではいつものサクラフィフティーンらしい動き回るラグビーを展開してくれることを楽しみにしている。
負けることはないだろう。内心そう思っていた。”Asia Rugby EMIRATES Men’s Championship”の決勝。HKCにとっては勝てば無条件で2027年オーストラリアで開催されるワールドカップの出場権が与えられる大一番だ。相手は韓国。その日、秩父宮では日本対ウェールズのテストマッチが行われていた。HKC対韓国は2時からYouTubeでの配信で秩父宮は12時50分からテレビで生中継だった。前半の途中まで日本戦をみて躊躇なくYouTubeに切り替えた。画面からも選手の緊張が伝わってくる感じがした。練習風景が映し出されるたびに知り合いの選手を探す。Luke、Solo, Sunia・・・応援スタンドにはGuyの姿も写っていた。
日本でプレイしたいと熱い思いで友人の紹介で一旦香港に来たと言っていた。あれからもう7年が過ぎた。Lukeの試合は何度も応援に行った。試合が終わると必ず僕をみつけて汗だらけの顔で「Hi Haru, thank you for coming to see game」と言ってくれてた。今じゃ香港ラグビーのスター選手だ。試合は70-22の圧勝だった。後半から参戦したLukeもトライを決めてみせた。そしてHKCは2027年 オーストラリア開催のワールドカップの出場権を得た。おめでとうHKC XV, おめでとう Luke, Solo、Guy Sunia、オーストラリアに行って応援しなきゃ!
暑い、暑い、溶けてしまいそうだ。香港特有の立っているだけで汗が流れだすムシムシした夏がやってきた。9時前だというのに30℃を越している。この暑さの中で走り回るのが香港のラグビーだ(笑 そんな中、Gai Wuのお揃いのTシャツをきた子供たちが次々に集まってくる。ラグビーボールやタグの準備をしているコーチがいる輪をめがけて子供たちが笑顔で走りこんでくる。少し遅れてお母さんたちは日傘に隠れて近づいてくる。恨めしそうな両親をよそに小さな楕円のボールをもつとみおう見真似でスクリュウーを投げようとする。キックをして明後日のほうに飛んだボールをくちゃくちゃにした笑顔で追いかけていく。純粋な楽しさがはじけ飛んで見ているだけで嬉しくなる。今年参加してくれた子供たちは20人弱と以前と比べると大きく減った。でも笑顔は前を一切変わらない。残りあと2回となったGai Wu Mini Rugbyこの子達が来年も参加してくれてここ香港にGai Wu Mini Rugbyが続いてくれることを願っている。
2011年の年末だったと思う。友人に紹介されてGaiWuのメンバーに加わった。さほど目立ったラグビー経験があるわけではないくせに大丈夫だろうと舐めた気持ちで経験のあるプロップで試合の途中から参加した。一発目のスクラムで顔から落ちた。当時のキャプテンから今日はやめておきましょうとやんわりと退場を命じられたことを覚えている。それからずっとGaiWuに関わってきた。一昨年に試合からは引退と宣言したがMni Rugbyには参加させてもらっている。香港の毎年春の恒例行事になっていたGai Wu Mini Rugby 娘のももかも春休みになると香港に遊びにきて必ず参加していた。もう12~3年前になるんだなぁ~当時は毎年100人近い子供対でHappy Valley Pich #6の全面に広がって走り回っていた。泣き出す子やサイドラインやトライラインを越えて走り回る子もいてみんなの楽しいMini Rugbyだった。
そんな中でももかも自然とRugbyに浸っていった。コロナで中断していたMini Rugbyが再開されると言うと「行きたい」と即断した。17歳になった。子供たちにRugbyを教えている姿をみてとても嬉しくなった。さぁ来週も老体にシバキいれて頑張ろう(笑
先週の日曜日、香港の大学や専門学校の生徒によるセブンスラグビー大会が新しいスタジアムで開催された。3月末に開催されるセブンスのワールドシリーズ香港セブンスを前にスタジアムの運営をトライアル的に確認する目的もあったそうだ。新しいスタジアムはKAI TAK Sport parkの中にある。名称は「啓徳体育園主場館」だ。最寄り駅はKAI TAK駅もしくはSung Wong Toi駅だ。今回はKAI TAK駅から歩いてスタジアムに向かった。途中新しくできた「AIR SIDE」というショッピングモールのそばを通って歩いて行くと銀色の丸みのあるスタジアムの側面がみえてきた。体力的にちょっと遠いなぁって印象だ。MTRの改札みたいなゲートにチケットのQRコードをかざして入場する。階段を上っていくと目の前にスタジアムが広がてみえた。香港スタジアムと違ってハイカラなスタジアムといった印象だ。ハイカラ(古ッ)の根拠はスタジアムのシートの色が赤、青、グレー、等のまばらな色でランダムに構成されているせいだと思う。東京の国立競技場を模した仕様のようだ。フェンスに近づいてピッチを覗き込んでみると高さと広さを感じる。でも香港スタジアムの3階席ほどの恐怖感はない。ピッチは天然芝でラグビー、サッカーはもちろんコンサートなどのイベントにも対応可能だそうだ。シートに座ると足元にエアコンが噴出していてちと寒かった。
天井は開閉式で雨でぬれる心配はないがセブンスの決勝戦後の花火の打ち上げができるのか心配になった。バーカウンターに行ってみた。ビールの種類も増えている。アサヒも1664も売っていた。3月28日から始まる香港セブンス、席取りの段取りを考えないといけないな(笑
New Year’s Day Youth Rugby Tournament が Hong Kong Football Clubで開催された。何年前から開催されている大会かは知らないが毎年1月1日に開催されている。毎年クラブチームのシーズン戦が大詰めを迎える11月頃からこのYouth Rugbyのセレクションが始まる。数回の合同練習を経て12月中旬頃にセレクション結果が発表される。前に香港でプレイしていた経験のある選手で今は母国に帰っている選手も対象でHong Kong Dragons と Oversea Lions の2つのチームを構成して試合をするのだ。お蔭様でももかは Oversea LionsのHOとして今年もプレイする機会を得た。残念ながら試合には20対14で敗れた。でも、今回の試合のパフォーマンスは僕がこれまで観てきたももかのクラブチームの試合等すべてふくめて一番の出来だったと思う。最高の出来だった。
実は数日前の夕食後にポッドについて相談を受けていた。チームのコーチからスクラムがブレイクした後やラックではブラインドサイドのウィンガーの前にポジションするように指示を受けたというのだ。「その位置やと全然ボールが回ってこぉへんねん」という。さらにボールをもらってもパスするのか?ゲインするほうがいいのか?このポジションの意味って何なん?一瞬返答に困ったと同時にいろいろ考えてるんだなと関心した。パスかゲインか状況次第で判断だろうな。注意しなきゃいけないのはブランドサイドだからチームのサポートが遅れる可能性があるから捕まってもすぐに倒れるないようにもがいて仲間が来るまで踏ん張って時間かせぎしなきゃとアドバイスした。さらにSHにもたまにはブラインドへボールを出すようにお願いしときとも伝えた。そして迎えた試合当日、緊張はしているものの「本番には強いから大丈夫」と言って先に家を出て行った。
試合後にチームメイトのお母さんたちからも「もも最高のパフォーマンスだったね」と何度も声をかけられた。本当にいい試合だったし思い出にのこる出来だった。本人も間違いなく自信になった経験が出来たはずだ。いままで頑張ってきた結果だろう。ラグビーの神様どうかこれからも見守ってあげてください。祈ることくらいしかもう出来なくなってしまった。頑張れッ もも!
2025年1月1日にHong Kong Football ClubでNew Year’s Day Youth Rugby Tournamentが開催される。有り難いことに今回もその試合のメンバーにももに選んでもらえた。U14、U16 そしてU19の今回と3回連続の選出には感謝しかない。U14の時に初めて選ばれてもらった背番号2のジャージは今も記念にとってある。そして今回もOver Sea TeamのHOとして出場できる予定だ。今日、その練習を見学に行ってきた。U19のカテゴリーではあるが選手の実際の年齢は来年2025年に18歳と17歳に達することが基準になっているため16歳と17歳で構成されている。なので表現としてはU18とする方が適正ではあるのだけれど世界的な諸事情かな?U19までは「YOUTH」というカテゴリと定義しているようだ。ややこしい話は置いとこう。
Hong Kong TeamとOver Sea Team、それぞれ23人が選出されている。中にはゆうに180cmを越していると思われる選手もいる。チーム名にあるようにこの試合のために海外から香港に戻ってきている選手も何人もいる。さすが国際都市 香港らしいセレクションだ。4時からの練習に少し早くFootball Clubについた。グランド中央では男子のU16のチームが練習していた。ももたちU19Gはグランドの両端に分かれて小さなグループになって時間前の軽い練習に入っていた。
HOのももはラインアウトではスローワーの担当だ。遠くから見ているとジャンパーの選手たちと何やら会話をしながら繰り返し確認をしているようだった。暫くして時間になると大きくグランドを使っての練習が始まった。ゴールラインに並んで5m、22m、10mへの往復ダッシュが始まった。前は苦しそうに走って見えたが今日の走りは意外に周りの選手と差がないくらいに「速く」走り切っていた。ちょっと驚いた。意識が変わったのかな?成長か?今日の練習までのすでに回数を踏んでいてダッシュの後はスクラムやラインアウトなどのセットプレイからのフォワード、バックスの合わせを繰り返していた。ももはスクラム、ラックがブレイクした後は必ずブラインドサイドのウィンガーの一つ内側に立つようにコーチから指示されている。今日の練習でもラックのブレイクの後オープンに2度ボールが展開されて折り返して戻ってきたボールを受けると前に出てラックのポイント、もしくは素早くウィンガーにパスと何度も繰り返しこなしていた。「ボールが回ってこないから嫌やねん」「アピール出来ひんねん、このポッドのポジションは嫌や」と言っていた割には今日の練習ではいい感じに動いていた。練習の終わりに「あそこのポッドのポジションはサポートが少ないから相手に捕まったらすぐに倒れるとジャッカルされるからすぐに倒れないように立って時間を作らないと言うと「分かってる」と言っていた。ウィンガーにパスするかそれとも自分で前に出てポイント作るか考えなきゃなとそんな話をしながら帰宅した。
試合途中から降りだした雨の中、試合終了のホイッスルがなった。対ブラジルとのテストマッチ第2戦、香港は38-17で勝利した。僕は内心2戦目もあぶないかもしれないと少し懐疑的な視線で新設されたカイタックスポーツグランドのピッチでウォームアップを続ける香港チームをみていた。一週間前Hong Kong Football Clubで行われた初戦でブラジルチームのウォームアップを観た時にもしかしたらあぶないんじゃないかと思った。その時点での世界ランキングでは香港は23位、ブラジルは31位だった。選手ひとりひとりのサイズ感や動きをみながらランキングの差ほどのスキルの違いは感じなかった。案の定、スクラム、早く前に出るディフェンス、ブレイクダウンでのボールの争奪戦、オフロード、どれをとってもブラジルのほうが上回っていた。結局香港はまったく見せ場を作れずに10-23で敗れた。試合後にLUKEに聞くと「very strong」と言って疲れた表情を見せた。Strongの意味はチームとしてもそうだし個々の体力、物理的な体の固さをも含めての印象だったのだろう。
そして迎えた絶対に負けられない第2戦だった。試合前にメインスタンドからピッチに出てくるLUKEに声をかけた。振り返って右手をあげて応えてくれたその顔つきにしっかりとした決意が見えた。新しく完成した(正確には完成途中だが)カイタック スポーツグランド。台風の影響で小雨交じりの天気だ。試合開始のホイッスルがなった。僕は初戦で何もできなかった香港がどのくらい修正して仕上げて試合に望んでくるのか?そんな視線で試合を見守った。開始10分ほどして懐疑的な気持ちはすぅーっと消えた。ブレイクダウンの集散やパス、とにかくポイントを作らずに早くボールを動かしている。まるでエディさんの超速ラグビーを手本にしているようだ。ラックになっても最低限のオーバーやディフェンスで対処してすぐに次のアクションに備える。そんな機敏なラグビーを香港は徹底して見せた。どうしたんだ香港?嬉しい疑問がわいてきた。
その疑問は試合翌日のLUKEのインスタで解けた。初戦のあとチームは10時間以上もの修正練習を続けていたのだ。そして臨んだ第2戦だったんだ。LUKEのあの厳しい顔はその表れだったんだ。新しいグランドのこけら落しにふさわしいいい試合だった。Congratulations Hong Kong XV Rugby
8月11日から一泊二日で小倉、福岡へ行ってきた。一番の目的はサクラフィフティーンの応援だ。ミクニワールドスタジアム北九州で世界ランキング7位のアメリカとのテストマッチ。10日から始まる3連休とお盆休みがつながっていることもあって新大阪からの新幹線のぞみは全席指定席、EX予約をつかってなんとか3人並びの座席が確保できたのは16時22分着ののぞみ141号だった。小倉駅から会場のミクニワールドスタジアム北九州までは徒歩7分程度、新幹線が止まる駅から超近のこのスタジアムは今後もっと有効活用できそうな環境だ。駅から会場までの通路には顔見知りの長田いろはキャプテンが左手で先を指さすポスターが道案内してくれていた。会場手前のJAPAN RUGBY CHALLENGE SERIESとかかれたパネルの前で写真をパチリ(笑
メインスタンドの前から2列目の席にすわった。グランドでは両チームの選手たちが約1時間後の18:00キックオフに備えてアップしている。すると「あら~こんにちは、わざわざ香港からきたんですかぁ~」と最前列から振り返って声をかけてくれる女性がいた。「あぁ~こんにちはぁ~ご無沙汰してます(内心は誰だったっけ?)」と笑顔で答えているうちにご主人がもどってきた。「あぁ~SO大塚朱紗選手のご両親だ。今年5月に香港で行われたアジアチャンピオンシップでお会いして以来だ。やっぱラグビー繋がりはいいもんだ(笑

