暑い、暑い、溶けてしまいそうだ。香港特有の立っているだけで汗が流れだすムシムシした夏がやってきた。9時前だというのに30℃を越している。この暑さの中で走り回るのが香港のラグビーだ(笑 そんな中、Gai Wuのお揃いのTシャツをきた子供たちが次々に集まってくる。ラグビーボールやタグの準備をしているコーチがいる輪をめがけて子供たちが笑顔で走りこんでくる。少し遅れてお母さんたちは日傘に隠れて近づいてくる。恨めしそうな両親をよそに小さな楕円のボールをもつとみおう見真似でスクリュウーを投げようとする。キックをして明後日のほうに飛んだボールをくちゃくちゃにした笑顔で追いかけていく。純粋な楽しさがはじけ飛んで見ているだけで嬉しくなる。今年参加してくれた子供たちは20人弱と以前と比べると大きく減った。でも笑顔は前を一切変わらない。残りあと2回となったGai Wu Mini Rugbyこの子達が来年も参加してくれてここ香港にGai Wu Mini Rugbyが続いてくれることを願っている。
先週の日曜日、香港の大学や専門学校の生徒によるセブンスラグビー大会が新しいスタジアムで開催された。3月末に開催されるセブンスのワールドシリーズ香港セブンスを前にスタジアムの運営をトライアル的に確認する目的もあったそうだ。新しいスタジアムはKAI TAK Sport parkの中にある。名称は「啓徳体育園主場館」だ。最寄り駅はKAI TAK駅もしくはSung Wong Toi駅だ。今回はKAI TAK駅から歩いてスタジアムに向かった。途中新しくできた「AIR SIDE」というショッピングモールのそばを通って歩いて行くと銀色の丸みのあるスタジアムの側面がみえてきた。体力的にちょっと遠いなぁって印象だ。MTRの改札みたいなゲートにチケットのQRコードをかざして入場する。階段を上っていくと目の前にスタジアムが広がてみえた。香港スタジアムと違ってハイカラなスタジアムといった印象だ。ハイカラ(古ッ)の根拠はスタジアムのシートの色が赤、青、グレー、等のまばらな色でランダムに構成されているせいだと思う。東京の国立競技場を模した仕様のようだ。フェンスに近づいてピッチを覗き込んでみると高さと広さを感じる。でも香港スタジアムの3階席ほどの恐怖感はない。ピッチは天然芝でラグビー、サッカーはもちろんコンサートなどのイベントにも対応可能だそうだ。シートに座ると足元にエアコンが噴出していてちと寒かった。天井は開閉式で雨でぬれる心配はないがセブンスの決勝戦後の花火の打ち上げができるのか心配になった。バーカウンターに行ってみた。ビールの種類も増えている。アサヒも1664も売っていた。3月28日から始まる香港セブンス、席取りの段取りを考えないといけないな(笑
New Year’s Day Youth Rugby Tournament が Hong Kong Football Clubで開催された。何年前から開催されている大会かは知らないが毎年1月1日に開催されている。毎年クラブチームのシーズン戦が大詰めを迎える11月頃からこのYouth Rugbyのセレクションが始まる。数回の合同練習を経て12月中旬頃にセレクション結果が発表される。前に香港でプレイしていた経験のある選手で今は母国に帰っている選手も対象でHong Kong Dragons と Oversea Lions の2つのチームを構成して試合をするのだ。お蔭様でももかは Oversea LionsのHOとして今年もプレイする機会を得た。残念ながら試合には20対14で敗れた。でも、今回の試合のパフォーマンスは僕がこれまで観てきたももかのクラブチームの試合等すべてふくめて一番の出来だったと思う。最高の出来だった。 実は数日前の夕食後にポッドについて相談を受けていた。チームのコーチからスクラムがブレイクした後やラックではブラインドサイドのウィンガーの前にポジションするように指示を受けたというのだ。「その位置やと全然ボールが回ってこぉへんねん」という。さらにボールをもらってもパスするのか?ゲインするほうがいいのか?このポジションの意味って何なん?一瞬返答に困ったと同時にいろいろ考えてるんだなと関心した。パスかゲインか状況次第で判断だろうな。注意しなきゃいけないのはブランドサイドだからチームのサポートが遅れる可能性があるから捕まってもすぐに倒れるないようにもがいて仲間が来るまで踏ん張って時間かせぎしなきゃとアドバイスした。さらにSHにもたまにはブラインドへボールを出すようにお願いしときとも伝えた。そして迎えた試合当日、緊張はしているものの「本番には強いから大丈夫」と言って先に家を出て行った。
試合開始のホイッスルがなった。いつもと違って勢いよく相手チームに向かって走り出した。「ボールが回ってこない分、タックルでアピールすんねん」そう言っていたとおり何度もタックルにいっては起き上ってまたタックルにいっていた。ディフェンスラインでもチームに声をかけて仲間をうまくライン上に振り分ける冷静さもみせながら前に後ろに右に左にととにかく動いていた。チームの方針でペナルティはとにかくタッチでラインアウトから攻撃することになっていた。そのたびにラインアウトのスロウワーとしてもうまくボールを投げてみせた。さらにはゴール前に持ち込んで数回のラックから最後にピックアップして飛び込んでトライまで決めて見せてくれた。
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実はトライが決まった瞬間は逆サイドからみていたので誰が決めたのか分からなかった。暫くして状内アナウンスで「Try No.2 Momoka WATANABE」と名前が響いて初めて知った。内輪で驚きで盛り上がった。新春早々にやってくれた。トライのあとも動きは落ちなかった。ジャッカルも決めてチームを救ったしおまけにタックルからコンカッションで2週間の練習禁止までもらってしまった。試合には敗れたけど僕の中では間違いなくももが「Woman of the match」だと思っている。試合後にチームメイトのお母さんたちからも「もも最高のパフォーマンスだったね」と何度も声をかけられた。本当にいい試合だったし思い出にのこる出来だった。本人も間違いなく自信になった経験が出来たはずだ。いままで頑張ってきた結果だろう。ラグビーの神様どうかこれからも見守ってあげてください。祈ることくらいしかもう出来なくなってしまった。頑張れッ もも!
2025年1月1日にHong Kong Football ClubでNew Year’s Day Youth Rugby Tournamentが開催される。有り難いことに今回もその試合のメンバーにももに選んでもらえた。U14、U16 そしてU19の今回と3回連続の選出には感謝しかない。U14の時に初めて選ばれてもらった背番号2のジャージは今も記念にとってある。そして今回もOver Sea TeamのHOとして出場できる予定だ。今日、その練習を見学に行ってきた。U19のカテゴリーではあるが選手の実際の年齢は来年2025年に18歳と17歳に達することが基準になっているため16歳と17歳で構成されている。なので表現としてはU18とする方が適正ではあるのだけれど世界的な諸事情かな?U19までは「YOUTH」というカテゴリと定義しているようだ。ややこしい話は置いとこう。
Hong Kong TeamとOver Sea Team、それぞれ23人が選出されている。中にはゆうに180cmを越していると思われる選手もいる。チーム名にあるようにこの試合のために海外から香港に戻ってきている選手も何人もいる。さすが国際都市 香港らしいセレクションだ。4時からの練習に少し早くFootball Clubについた。グランド中央では男子のU16のチームが練習していた。ももたちU19Gはグランドの両端に分かれて小さなグループになって時間前の軽い練習に入っていた。
試合途中から降りだした雨の中、試合終了のホイッスルがなった。対ブラジルとのテストマッチ第2戦、香港は38-17で勝利した。僕は内心2戦目もあぶないかもしれないと少し懐疑的な視線で新設されたカイタックスポーツグランドのピッチでウォームアップを続ける香港チームをみていた。一週間前Hong Kong Football Clubで行われた初戦でブラジルチームのウォームアップを観た時にもしかしたらあぶないんじゃないかと思った。その時点での世界ランキングでは香港は23位、ブラジルは31位だった。選手ひとりひとりのサイズ感や動きをみながらランキングの差ほどのスキルの違いは感じなかった。案の定、スクラム、早く前に出るディフェンス、ブレイクダウンでのボールの争奪戦、オフロード、どれをとってもブラジルのほうが上回っていた。結局香港はまったく見せ場を作れずに10-23で敗れた。試合後にLUKEに聞くと「very strong」と言って疲れた表情を見せた。Strongの意味はチームとしてもそうだし個々の体力、物理的な体の固さをも含めての印象だったのだろう。 そして迎えた絶対に負けられない第2戦だった。試合前にメインスタンドからピッチに出てくるLUKEに声をかけた。振り返って右手をあげて応えてくれたその顔つきにしっかりとした決意が見えた。新しく完成した(正確には完成途中だが)カイタック スポーツグランド。台風の影響で小雨交じりの天気だ。試合開始のホイッスルがなった。僕は初戦で何もできなかった香港がどのくらい修正して仕上げて試合に望んでくるのか?そんな視線で試合を見守った。開始10分ほどして懐疑的な気持ちはすぅーっと消えた。ブレイクダウンの集散やパス、とにかくポイントを作らずに早くボールを動かしている。まるでエディさんの超速ラグビーを手本にしているようだ。ラックになっても最低限のオーバーやディフェンスで対処してすぐに次のアクションに備える。そんな機敏なラグビーを香港は徹底して見せた。どうしたんだ香港?嬉しい疑問がわいてきた。その疑問は試合翌日のLUKEのインスタで解けた。初戦のあとチームは10時間以上もの修正練習を続けていたのだ。そして臨んだ第2戦だったんだ。LUKEのあの厳しい顔はその表れだったんだ。新しいグランドのこけら落しにふさわしいいい試合だった。Congratulations Hong Kong XV Rugby
女子アジアラグビーチャンピオンシップの第2戦 vs カザフスタンが5月27日 Hong Kong King’s Parkで行われた。この試合はアジアラグビーのチャンピオンシップという大会だけでなく来年2025年 イングランドで開催されるWOMEN’S RUGBY WORLD CUP ENGLAND 2025大会のQUALIFYも兼ねていた。先週22日に行われた初戦でHONG KONGを29-12で破ったサクラフィフティーンは第2戦目でカザフスタンに勝利すればイングランド大会への参加が確定する。大きな意味をもつ第2戦だった。気温と湿度が高く香港特有の気候のなか19時KOで始まった。先週に続いて会社をさぼって5時過ぎには会場に着いた。すでにチームスタッフの皆さんが後から到着する選手たちを迎え入れるための準備に追われていた。「こんにちはぁ」元気に挨拶してくれる。先週の試合のあとで一緒に写真をとりあったこともあって既に顔見知りだ(笑)選手の父兄の方達も日本から応援に駆けつけていた。「暑いでしょ?」「いやぁ暑いですねぇ~」と汗を拭きながらビールで乾杯して選手の到着をまった。
レスリー・マッケンジーヘッドコーチ、べリックバーンズ、マーク・ベイクウェルコーチ、ぞくぞくとサクラフィフティーンが到着する。べリック・バーンズコーチはワラビーズでFBをこなした名選手だ。日本に来てからはパンソニック、リコーでフライハーフとして活躍した。今は日本ラグビーフットボール協会の専任コーチだ。気さくにわらって握手してくれた。
19:00 KO 自信の塊のサクラフィフティーが試合開始からカザフスタンの陣地でゲームを進める。10本のトライと7個のコンバージョンを決めて64-0で圧勝だった。強くなったなぁという印象を受けた。先週の香港戦ではアウェーに加えて高温多湿の慣れない環境で試合開始から思うようにゲームを進められなかったところもあったが、今日のカザフスタン戦ではのびのび戦っているように見えた。常に相手陣地でプレイできていたしたまにキックオフで深めに蹴りこまれても落ち着いたディフェンスでゴールまでは決して攻め込ませない。完封勝利という結果が証明してた。ただイングランドではそうはいかないだろうな。これからのサクラフィフティーンに求められるの劣勢にたった時にいかに気持ちを強くもって厳しい状況を克服できるかだろうな。ラグビーに限らず真に強いチームというのは劣勢から立て直すことができるチームだ。この強い心をイングランドでは示せるかどうかだろうな。
香港のラグビーシーズンは香港セブンスを起点にしている。セブンスが終わると新しいチームとしての活動が始まって最後はセブンスのピッチでシーズンを通して戦ってきた上位2チームが勝者を決めるのだ。女子のユースはU14、U16そしてU18と3つのカテゴリーに分かれいる。U18Gのカテゴリーはその年に17歳になる女子と18歳の女子で構成されている。11月が誕生日の娘はまだ16歳だ。実際のところ今年のU18Gのカテゴリーはプレイヤーが激減した。コロナの影響や大学を見据えてなのかいろんな事情があるのだろう。本国に帰ってしまった女子が多く単独でチームを構成できるところはひとつだけだった。結果、バーバリアンズとして構成された2チームと娘が所属するHong Kong Football Clubの3チームでトーナメントを戦ってきたのだった。最終的に香港スタジアムでのファイナル戦では全ての所属チームの所在地を元にしてPENINSUKLA(九龍半島)側とISLAND(香港島)側に分けてその中から12人を選抜してセブンス向けの特別チームを構成して戦う事に決まった。