首の骨からギギギっと音がした

マジに死んだと思ったわ。(生きてます :))後半早々の相手陣地に入ったところでのマイボールスクラムだった。レグリーのセットの合図でヒットししてすぐに相手1番の頭が僕の胸の下まで入り込んできた。故意に斜めに首を押し込んでいる。ボールインするまでの間、僕はさらに低い姿勢で対応しようと背骨を張って顔が地面に近づくくらいまで下げ込んだ。次の瞬間、相手が我慢できずに崩れた。それにつられて僕も地面に突っ伏した。右肩を下にして突っ伏した僕の頭の上に両チームの2番がガシッと乗ってきた。頭が真横に押し込まれた。耳の奥から「ギギギ」っと骨がきしむ音が聞こえてきた。4年前に右足首を骨折した時、足首から頭まで骨伝いに聞こえてきた嫌なあの音と同じ音だった。「あっ!やってしまった」「首折れたな」ブレイクの声がして折り重なったフォワードメンバーが僕の上から起き上がっていく。立てなかった。先に起き上ったフォワードのメンバーらが声をかけてくれた。「大丈夫?」差し出された手を引いてなんとか立ち上がってすぐにピッチの外にでた。寝転がって首の様子を自分で確かめる。「あれ?大丈夫そうだな」幸い変な痛みは感じない。タイマッサージで首をグきっとされたようなすっきりした感じだ 笑)しばし大の字に寝転がって空を見渡した。すっきりと晴れ渡った青空と白い雲が見えた。「俺ラグビーしてる」なぜかそんな思いが自然とこみあげてきた。「Are you okay. Sir?」すぐに駆けつけてくれたチームのフィジオだった。「I’m okay」と笑って答えると座れるか?と聞かれて手を借りながら状態を起こした。前に座ったフィジオが僕の両頬を両手で優しく持って「Turn?」「yes」両頬を持ったまま頭を左右にゆっくりと回して痛みがあるか確認する。名前は?ここはどこ?何をしていたの?Shek Kip May(ラグビーグランドがある地名)。ラグビーの試合、Scotish(相手チームの名前)全部の質問に答えるとフィジオはOkayと笑ってベンチの方に戻っていった。あの嫌なギギギという音が体の中から直接聴こえた時は本当にやばいと思った。

vs スコティッシュとの2024年の初戦はGai Wu Hong Kong やわざわざ広州ROCKSからも応援サポートしてもらったにも関わらずに惨敗した。約2ヶ月近くもの間、何も準備していなかった僕はピッチには立っていただけで本当に何もできずに前半15分、後半5分で今年の初戦を終えた。今シーズン残り3戦、もう一度、心の準備をし直して臨もうと思っている。

シーズン前半戦8試合を終えて3勝5敗ながら暫定4位につけています。チームとしては限られたメンバーの中、香港チームからの助っ人の効果もあって善戦していると言ってもいいんじゃないでしょうか?中でも暫定首位のTin Shui Wai RFC 3Bには後半ギリギリに逆転されたけど4点差の敗戦、暫定2位のKowloon Brothers には3点差と僅差での敗戦でした。2試合共に勝てそうな雰囲気だっただけに惜しい試合でした。今週末の他のチームの結果次第で前半戦の最終結果が確定します。
6戦目 vs Tin Shui Wai RFC3B 15-19 Shek Kip Mei 前半 15分のみ
追記)仲間がチームを去ります。寂しいものです。一緒にボールを追いかけた仲間です。元気で、またいつか一緒にラグビーしよな 🙂
初戦 vs POLICSは70分、2戦目 vs Typhoonは後半からの出場で35分、3戦目 vs City は後半10分過ぎに人数不足のため試合放棄で45分、4戦目 vs Scottishは後半からの出場で35分、5戦目 vs Tipo Dragons は後半から20分の出場、なんと初戦から連続5試合出場の皆勤賞を継続中なり 🙂 今シーズンは出させてもらって試合ではスクラムとぢフェンスに注力していこうと心に決めて臨んでおります。5戦目のDragons戦では20分間でタックルは自分の中では2勝1敗、ラックからボールをもって一番デカイ奴が勢いよく目の前に!ちょっと怯みそうになったけど何とかへっぽこタックルで止めることが出来た。一敗はディフェンスのギャップを突かれてきれいに抜かれてしまった。

試合終了後に南アフリカのキャプテン シア・コリシが真っ先に向かったのはデリバティブノッコンでイエローカードを受けて10分間の退場を命じられてピッチの外にいたWTBチェスリン・コルビだった。ピッチの横に用意された椅子の上でジャージの中に頭を隠して試合を見ることが出来ずに小さくなっていたコルビ、テレビの画面に大きくズームアップされていた。南アフリカは14人で残りの7分間を耐え抜いて1点差を守り抜いた。そして大会初の4回目の優勝を決めた。コリシキャプテンは力強くコルビを抱きしめた。抱きしめながらコリシキャプテンは171cmの小柄なスピードスターにどんな言葉をかけたんだろう?泣けた。51日間、48試合の戦いが終わった。次のオーストラリア大会は現地で観戦したいと思っている。
その後はいつもどおりにラック周りのディフェンスに注力しながら相手ゴールまで押し返したりもして一進一退の試合展開だった。ハーフタイムで助っ人の香港人が抜けた後、リザーブ無しのがけっぷちで後半へ突入、10分過ぎた相手陣地に入ったあたりでのスクラム、レフリーの「セット」の声でガツンと肩を合わせたあとHOが崩れおちた。スクラムをブレイクすると顔をしかめて声を押し殺して必死に痛みに耐えていた。プレイは無理だとすぐに分かった。ロックの若手をプロップにあげてその場のスクラムは何とか乗り切った。が、すぐにもうひとりが古傷の悪化でプレイ出来なくなってしまった。レフリーに進言して試合放棄、負けを認めた。限られたメンバーのみで臨んだ試合ではあったけれどその内容は決して見劣りするようなそれではなかったと思っている。よく耐えたし、よく走っていたと思う。まだ3戦目、シーズンは始まったばかりだ 🙂
2点ビハインドで迎えた試合終了3分前、土壇場で逆転勝利を狙う49mのペナルティキックだ。草ラグビーでも緊張するこの場面、それを4年に一度のワールドカップの準決勝でショットクロックを20秒以上も残して決めて見せたスプリングボクスのハンドレ・ポラード!最初のセレクションで漏れたポラードはマルコム・マークスの怪我による戦線離脱によって急遽、チームに召集された。この準決勝でもスターターではなく前半の後半からリボックに変わっての途中出場だった。 こんな痺れまくるPGを決めて見せたポラードに引けを取らない奴が GaiWu Blossoms にもいる。写真の男、ヨッシー・ポラードだ。
自陣10mに入ったところでのスクラム、ポイントを示しながら「2minutes」とレフリーが言う。スクラムがブレイクして顔を上げると攻め込まれながらも必死のディフェンスが続いていた。相手のノックオンで試合終了!「勝った」 24-14、ヨッシー・ポラード、どんなに心強かったことか!僕の中では間違いなくこいつが今日の Man of the match だ。
クラウチッ、バーインド、セット、レフりーの声を受けてガツンと組んだ瞬間に勝てると思った。それはまるでフランスワールドカップで桜の戦士達がイングランド相手に見せた鉄壁のスクラムにも引けをとらないそれだったと思う。スクラムハーフがボールを入れる前にほんの少しの「間」ある。自分のほほのよこに相手の顔を感じる。上目遣いに相手の足元を見やると曲がって膝が窮屈そうに落ち着かない様子が見て取れた。HOのフッキングの気配で一気に前に出る。押し切った。レフリーのホイッスルがなる。ペナルティだ。2019年のワールドカップ、対アイルランド戦、スクラムで勝ち切った3番の具智元並みにガッツポーズが出そうになった。初めてじゃないかなぁ~GaiWuでスクラムを押し切ってペナルティを取ったのは、思い返しても記憶にない。

感動した!目の前で次々に繰り広げられるエキサイティングなアクションのひとつひとつに会場全体から拍手と歓声が沸き上がる。それらひとつひとつが高いプロ意識に基づいた「技」だ。華やかなステージ衣装、関西弁をうまく取り入れて大きな笑いを起こす愛嬌たっぷりのクラウン、鍛え上げられた屈強な体でパートナーと空中へ放り投げては確実に抱きかかえる空中でのロープワークを目の前でみあげると2人の信頼感が心をついた。「ALEGRIA 新たなる光」は、シルク・ドゥ・ソレイユの移動講演の演目のひとつだ。
なぜラグビーのブログにALEGRIAなのか?と言うとショーの目玉のひとつ「Fire Knife」を披露する彼はメッセンジャーのやり取りでもお互いに Bro(Brother)と呼び合う友人なのだ。彼の名前は「ファラニコ・ソロモナ・ペネサ」という。いつもは「フランキー」と呼んでいる彼とはHong Kong GaiWu Rugby football team のチームメイトだ。カテゴリーが違うクラスなので同じチームで試合をしたことはないが Happy Valley ground で夜の練習では一緒に汗をかいた仲間だった。2年ほど前にALEGRIAのメンバーに挑戦すると言って香港を離れた。そして今年、日本公演がきまって早々に大阪講演のチケットを予約したのだった。運良く最前列を3席確保でした。前もってフランキーには見にいくことは連絡しておいた。
当日、早めに会場についてステージの目の前の席を確認して「Now we are here.」と写真着きでメッセージを送るとすぐに「Ok see you soon」と返事がきた。開演時間キッカリに照明落ちるとスポットライトに照らされて主人公がステージ中央の奥から現れた。華やかなステージが次々に繰り広げられていく。そしてついに小さな炎と一緒にフランキーが現れた!ステージ中央奥にセットされたドラムセットから激しいドラムが鳴り響く、と同時にステージ中央で炎がついたKnifeを激しく回転させる。回転する炎で会場が明るくなる。会場内が大きな歓声に包まれて激しく回り続ける炎が観客のテンションを最高潮に盛り上げていく。すごい!あのフランキーで目の前でこんなに多くの観客の前で「Fire Knife Dance」を披露している。嬉しくなった。感動だった。
ショーが終わった後、化粧を落としたらすぐに行くからゲートで待っててとメッセージが来た。言われたとおりの出口でまっているとアーティストの控え室のほうからゆっくりとフランキーが出てきた。遠目にも笑っているのが見えた。2年ぶりの再会だ。香港で出会って大阪で再会できた。一緒に出演しているという従妹の「Jackie」に「Hong KongのBrother いや fatherだ」言って僕を紹介してくれた。当然、僕の嫁さん、娘もフランキーとは知り合いだ。みんなで抱き合って大阪での再会を喜んだ。そして一緒に駅まで歩いた。大阪公演のあとはスペイン、イギリスと講演は続くといっていた。しっかり握手をして再会を約束した。ラグビーの縁で知り合えたフランキー、改めてラグビー繋がりに感謝したいと思った。感動の2023年夏のALEGRIAだった。
1 日本 21 vs 16トンガ 試合内容や結果についてあれこれいう人はいるだろうけど、何はともあれ勝ってよかった。勝利の期待を抱かされて望んだはずのニュー人ーランド15とサモア戦に連敗して望んだワールドカップ前の. ‘ トンガとのテストマッチだった。どんな形であれ勝利が最低条件だったはずだ。80分が過ぎたことを知らせるフォーンがなってからの日本ボールのラインアウト、上手くキャッチされたボールがスクラムハーフから途中交代で入ったスタンドオフの松田に渡って少し慌てたようにスタンドに蹴り出された。その瞬間、日本の選手と観客の大きな歓喜で花園は揺れた。明るく照り出されたグランドでは多くのトンガの選手達が片膝をついて項垂れている姿がとても印象的だった。最後のインタビューでトンガのキャプテン スクラムハーフのソナタネ・タクルアが話していたのを聞いて納得した。「我々はこの試合にすべてをかけて戦った」その話ぶりから冷静な悔しさが滲み出ていた。きっとワールドカップでは大きな躍進をするだろう。チームとしての一体感は日本を超えていたと私には見えた。
日本はチーム内でまだまだ最終選考に残るためのサバイバルが続いている。主力選手もすべてが参戦していない中でのテストマッチであったことを忘れては行けない。最終選考に残った選手立ちがさらに強いジャパンを見せてくれるはずだ。
自身としても体力的には見劣りするがスキルとしては昨シーズンよりもアップしていると思う。何よりもラグビーが楽しい。怖いと思っていたアタリが楽しく思えてきた。年齢による俊敏さは如何ともしがたいところではあるが痛みよりも嬉しさのほうが心に響くのだ。練習は裏切らない。今シーズンの開幕が楽しみだ。気持ちがはやる。