ワールドカップの予選プールでみたニュージーランドと南アフリカ戦のあと、私の後ろでスプリングボクスのモスグリーンのジャージを着て泣いていた青年の涙は悔し涙だったのだろう。20日の日本代表と南アフリカ戦が終わった時に自然と流れた私の涙はどんな涙だったんだろうか?2015年、夜中に勝って流した涙とは明らかに異なる種類の涙だったと思う。静かに、そして感謝の気持ちから流れた涙だったと今、振り返って思う。
少し余談になってしまうが、日本と南アの試合の前に行われたウェールズ vs フランス戦、この試合で危険行為でレッドカードを受けて途中退場したフランス代表のロック、セバスチャン バハマイナ(SEBASTIEN VAHAAMAHINA)のことが気になって仕方が無い。寂しげにロッカーに引き上げる後姿がパブリックビューイングの大画面に映し出された時、何故だか胸が痛くなった。彼の気持ちを思って涙が出そうになった。やった行為は決して許されるものでは無い。レフリーの判断は正しいと思うし、翌日のフランス代表HCのコーチのコメントも潔かった。ただ、彼自身の気持ち、きっととんでもなく後悔しているだろうその気持ちを推し量ると今でも胸が痛くなる。つらいだろうな、一人で可哀想に。。。そう思ってしまう。次のフランス大会には胸を張って戻ってきてほしい。そう思う。
さて、題名の「涙の種類」とは話はそれますが、明日から私自身の香港での2019-20202シーズンが始まる。実はシーズンはすでに3週間前に始まってはいるのだけれど、出張が重なったことと香港のデモの影響と対戦相手のメンバー不足による不戦勝という戦績で、明日は私自身にとってのシーズン開幕戦というわけだ。昨シーズンの開幕戦では約30年ぶりにトライすることが出来た。明日はその時の開幕戦と同じピッチでの試合だ。トライなどとたわけたことは考えず愚直にディフェンスとスクラムに集中する。そして怪我をしませんように神様宜しくお願いします。


その後ろにはチームのメンバーが10数人で陣取っていた。スプリングボクスのジャージを着てる大柄な体格のナイスガイだった。ラグビーは人と人を理由もなく結びつける不思議な魅力がある。理由もなくというのは実は間違いで「ラグビー」というそれが理由になって自然と繋がったいく。国籍や性別は関係ない。ラグビーが好きだというただそれでけでいい。南アフリカの勝利を「Nice game, Congratulations.」と声をかけて握手する。「Thanks、also Japan is nice team.」と握手した右手にさらに力が入る。その後ろにいたチームのメンバーと握手を交わしている。ここにもまた新しいラグビーつながりだ。


試合後にアイルランドの選手が花道を作ってくれて拍手して日本代表を迎えてくれたいるシーンが映し出されていた。感動だった。そして次に稲垣選手が大泣きしているシーンも映し出された。あの稲垣選手が泣いていた。この勝利のためにどれほどの苦しい時間を過ごしてきたのかを思いやるとグッとくるものがあった。
本当にラグビーっていいなぁ〜 次は10月5日に豊田スタジアムでサモア戦だ。相当厳しい試合になるだろうな!頑張れ日本、頑張れブレイムブロッサム!
9月21日のニュージーランド対南アフリカ戦
前日に経験していたこともあったし少し早めに移動したこともあって席までスムーズに着くことができた。シートは正面に向かって右奥の2階席、周りにはシャムロック(三つ葉のクローバー)色のジャージを着た大柄な男たちが目立つ。デカッて感じの男たちが左手にビールを持って大声で笑いながら賑わっている。試合結果は写真のとおり。スコットランドは元気なく何も出来ずに惨敗。試合途中で隣に座っていたアイランダーのおじさんに片言の日本語で「ニホン、スコットランドニカテルヨ」と言われた。「ヘッ?」と思ったけど、私もそう思った。それどころか、アイルランドにも全然行けるだろう!そんな印象を持つ事が出来た試合だった。
「日本勝てるよ」と言ってくれたのはアイルランド人のブライアンさん。試合中、日本語で話しかけてきてくれた。大阪で日系企業で働いていたそうだ。退職して今は北海道でゲストハウス「IZARI」を経営しているそうだ。アイルランドから友人とその息子さんが一緒だった。日本人だけじゃなく世界中の人々がラグビーというスポーツに関わっているというそれだけで友達になれる。本当に素晴らしいと思う .
余談です。ハーフタイムで大きなアイルランド国旗が一階のスタンドに現れた。なんとその大きな国旗がスタンドをずんずん移動していく!まるで芋虫みたに!
ただ、自国代表の負け試合を観て泣いた記憶はない。2015年の南ア戦に勝利したときは夜中に一人大泣きした。勝って泣いた。感動して泣いた。今でもヘスケスの逆転トライのシーンをビデオで観ただけでうるっとくる。でもこれは勝った試合だ。感動の涙だ。繰り返すが負けた試合を観て泣いた記憶はない。