ももが泣いた
25分もの間、ずっと自陣のゴール前でのディフェンスを強いられ続けていた。U16Gの試合は今シーズン、変則的に10人制の25分間の一本勝負のリーグ戦だ。試合開始直後から始まった攻防の中、何度もボールをターンオーバーしてはキックで陣地を挽回し続けていた。全員が体を張って相手を止める。その繰り返しだ。Sandybayは先週の試合でHKFCに負けている。闘志を漲らせてゴールに迫ってくる。何度目のキックだったろうか?少し高く上がってしまって距離が出なかったボールを背走してはしる相手のウィングがダイレクトキャッチした。そしてそのまま反転して対角線方向のコーナーへ向かって走り出した。ディフェンスのほとんどが反対側のコーナーに取り残されたままだ。ボールを持った相手のウィングと一直線に真横に走るディフェンダーとのゴールまでの競争になった。すでにロスタイムに入っていることは分かっていた。届かなかった。HKFCは最後の最後で力尽きた。レフリーが右手をあげてトライのホイッスル、コンバージョンはUnsuccessful、0-5で敗れた。
HKU SandybayはHKFCの宿敵だ。U16Gの年代はコロナ禍にあってクラブチームが減ったこともあって合同チームが再編されている。Valley、DB Pirate、それにKukriの合同チーム、もうひとつは、StingrayにTigersの合同チームだ。HKFCとSandybayだけが単独で構成されたチームなのだ。この変則4チームで2022-2023シーズンを戦っている。単独チーム同士という事もあって相手には負けたくないとうチーム同士のプライドの張り合いなのだ。先週の試合はHKFCがトライ数で4-0で勝利していた。
厳しい顔で全員がベンチのほうに戻ってきた。チーム全員の顔に悔しさが滲んでいた。後ろのほうにももが居た。遠目からでも涙目になっているのが見えた。「負けたのが悔しかったんだな」ベンチからみていてそう思った。コーチの周りで円陣を組んで長いミーティングのあとももがそばに来た。近づくにつれて泣きじゃくっていた。少し様子が変だなと思っていると「届かなかってん、タックル行けたのに、届かなかってん」泣きじゃくりながらそう言っていた。すぐに分かった。最後に一直線に追いかけたのはももだったんだ。タックルが間に合わなかったんだ。「行けてん」そう言ってずっと泣きじゃくっていた。するとそれに気づいたチームメイトのシエラが傍にきて一生懸命に「もものせいじゃないよ、もものせいじゃない」と背中をさすりながら声をかけてくれた。「うん、うん」とうなづいて聞いていた。
試合の後、ももが泣いたのは今回で3度目だ。一度目はラックからボールを持ち込んでヘルドアップ(パイルアップ)されてトライ出来なかった時、2回目は2020年1月1日のHAppy New Year Gameで敗れた時だ。悔しくて泣く、いい経験になったいることだろう。次に活かしてほしいと思う。
先週に続いて昨夜も Gai Wu Hong Kong の練習に参加してきた。10月の下旬になると夜は20度をきってて気持ちいい。Gai Wu HKのメンバーは若くて元気がいい。ラグビー経験者で構成されるBlazeと初心者も含んだ経験の浅いメンバーで構成されたFlamのふたつのチームがある。毎週、火曜日と木曜日に女子チームも一緒にピッチをシェアして練習を続けている。コロナの前はBlossoms(日本人チーム)のメンバーも、わたしも含めて頻繁に参加していたのでだけれど公共施設の使用に規制がかかってからはすっかりご無沙汰していたのでした。
みんな笑顔で迎えてくれた。俺らGai Wu blossomsのメンバーはGai Wu Flamというラグビー経験の浅い若手選手中心のチームついて練習だ。最初に4人でランパス、SHを中心にして円を描くようにぐるぐるをランパスを続ける。息が上がる。周りの若手はケロッとしている(泣 それから3人のシェイプからヒットする練習をしてフォワードのラックでごり押ししていくAD、バックス、フォワードに分かれてラインアウト、サインプレイなどの練習が続く。途中、Blossomsのメンバーだけで集まってSHのTyronからBull、SHARKのサイン攻撃を連続する練習をして、あっという間の1時間半だった。練習の最初からとにかく「機敏に走る・低い姿勢」を意識して取り組んでみた。意外と行けるんちゃうかというのが練習を終えての自身の感想です。まぁ日曜日のBlossomsの練習で何か見えてくることを願っている。帰りにキャプテン田中と香港ローカルのちゃーちゃん店に寄った。案の定「うぅ~ん」という味だった。田中は「旨いっすね」とバクバク味のしない水っぽいカレーを頬張って食べていた 🙂

75-10 大敗だった。約2年半の厳しい時間を我慢して迎えたシーズン開幕戦、チームとしても個人としてもとても楽しみにしていた戦いだった。なす術なく敗れた。チームとしてではなく自分として何とも後味の悪い試合になってしまった。いや、「してしまった」という表現が正しいと振り返って今、思っている。GaiWu Blossomsのメンバーとしてシーズン開幕戦のスターターとしてピッチに立たせてくれたのに何も貢献できなかった。開始早々に相手に走り切られて2本のトライを許した。その後、反撃に転じて相手陣地深くまで攻め入った左サイドのモール、ブル(SHから直接フォワードシェイプのサイン)の声を受けて走りこんだ。目の前で一瞬ボールがフワッと揺れているように感じた。伸ばした何本かの指先にボール当たってこぼれた。「ノックオン」一瞬頭が真っ白になった。攻め入って高まっていたチームの勢いが一気に消えた。背後からすぐに「チャレンジしたミスだからいいよ、いいよ」若手の声が痛かった。夏場に何度も練習してきたSHからの単純な突っ込みのプレイ、ノックオンした記憶なんかなかったのに・・なんで今、ここで!そう思った。
話は変わるが、ゴルフには「ルールはふたつしかない」という重い言い伝えがあると聞いた。どういう事かと言うと「ひとつめのルールは、あるがままにプレイせよ」だ。すべて結果を受けいれてありがままの状態でプレイせよということだ。そしてもうひとつのルールは「自分に不利になるように判断せよ」だ。二者択一の状況で誰からも見られていない。そんな状況に中で自分に不利になるような判断をしてプレイせよということだ。ゴルフは18ホールを回るのに最低でも4時間程度はかかる。否応なしに同伴競技者の癖や性格が見えてしまう。過去に一緒にラウンドした人たちの中で何人か嫌な気持ちにさせられた人が居た。嫌な気持ちが見えてしまうのだ。

一進一退の攻防が続く試合展開だった。互いに攻撃のフェーズを何度重ねてもゴール手前で粘り強いディフェンスを崩せずに得点まで結びつかずにいた。ピーンと張りつめた緊張感がピッチ全体を包む。この試合は絶対に落とせない。チーム内に自然と伝わるそんな見えない強い意志がひとりひとりの疲れ切った体を前へ前へと進めるのだ。何回目のフェーズだっただろうか?相手陣地の10メーターを少し入ったあたり、ピッチの左端に出来たラックから少し覗いているボールにスクラムハーフのタイロンスミスが手をかけて相手のディフェンスラインを確認している。疲れ切っているはずのフォワードがそれでもスタンドオフの左右に散ってシェイプを作る。僕はその右後ろについた。対面の相手ディフェンスはスタンドオフをノミネートしているようだった。スタンドオフの陰にセットした僕には気づいていないようだった。その時、タイロンスミスからボールが鋭く放たれた。デコイになるフォワードが声をかけて一斉に前にでる。一瞬、相手ディフェンスが躊躇する。対面で張っていた相手ディフェンスはスタンドの陰に位置している僕にはまだ気づいていないようだった。「タツ、右」僕がかけた小さな声に反応してスタンドのタツがふわっとボールをトスした。案の定、相手ディフェンスはスタンドオフに引き付けられて僕の目の前がパッと開けた。
大の字に倒れたまま動けない僕の周りには誰も近づいて来てはくれない。ゆっくりと目を開ける。ギラギラと照り付ける香港の太陽がまぶしい。暑い、めっさ暑い、炎天下の気温33度超えの中のタッチゲームでの一コマでした 🙂
Facebookで昔の思い出の写真がたまにアップされてくる。そんな中で娘ももかの本当に懐かしい写真が出てきたのでここでもアップしておこうと思います。5年前です。当時恐らく8歳だと思います。ラグビーボールに最初に触れたのは6歳くらいだったと思います。私が所属している GaiWu Blossoms(当時はGaiWu Jと言ってました)が毎年春先から夏前にかけてキッズ向けの「ラグビー教室」を開催していました。そこに夏休みを利用して日本から香港に遊びに来た時に体験したのが最初でした。
その翌年、Hong Kong Football Clubへの入会をお願いしたのですが既に入会の締め切りが過ぎてて正式入会はできませんでした。それでも練習には参加していいよと言われて通い始めたのでした。そして翌年、正式に入会させてもらってチームのジャージをもらいました。背中には「MOMOKA」の名前が入っています。それでも最初はみんなの後にくっついていってボールも触れないし、パスも回って来ない日々でした。それもそのはずで英語もまともに話せない日本人がひとりチームに突然入ってきた訳ですから周りからしたらどう接していいか分からないのも当然です。子供の仲良くなるその術は大したもんです。
日にちが経つにつれていつの間にか会話もできるようになりパスも回してもらえるようになりました。その時からずっと今もみんながチームメイトです 🙂
久しぶりに娘、ももかと一緒にラグビーの練習やってきた。土曜日のHappy Valley Sports Ground。これまでも練習を見に行くことはあったけど一緒にボールを追いかけて練習をするのはラグビーを始めた頃のミニラグビー以来だなぁ〜何年ぶりだろう。9時30分の練習開始に向けて8時30分に家をでた。昨夜の夕食時に練習来るのと聞くと遅れていくとのことだった。少し早めにホームブランドのHappy Valleyにすでに3、4人がボールに空気を入れたりタックルバックを出したりして練習の準備を始めていた。「うぃっ〜す」とみんなに声をかけて俺も支度をする。練習の前にしっかりと背中と腕、股関節から太ももの裏など伸ばしておかないとどうも不安でならない。一説では練習前のストレッチは不要だとも聞くがこれをやっておかないと安心できない。
シーズン最後のイベントだ。シーズンの締め括りとして香港島の裏側にある「South Bay Beach」へ行ってきた。みんなで海でボールの取り合いゲームやったり沖合のブイまで行って海に飛び込んだりして思いっきり遊んだ。そして一年間の総括としてコーチから選手ひとりひとりにコメントと手作りのメダルが渡された。メダルと言っても紙のお皿に一人ひとりの写真を張り付けた簡易的なメダルではあるけれど、コーチ二人の思いがぎっしり詰まった贈り物だ。そして個人賞が発表される。Most improve player、最優秀選手などなど、みんなひとりひとりがよく頑張ったと思う。中には内気であまり言葉は発しない娘がトライを決めたりしたこともあった。時には仲間内で言い合いもしたりしていた。それが一年を通して本当にたくましく成長してくれた。キャプテンとして準備してきた手紙をももかが読み上げた。読み始めてすぐに気持ちがこみ上げてきたのか泣き始めたしまった。すぐに仲良しの Brigid や、Saidhb、 Sierraがももかの周りにきてくれて励ましてくれた。鳴き声ではっきりとは聞こえなかったけどコーチ二人に抱きしめられてさらに泣き顔になっていた。嬉しい瞬間だった。ラグビーで繋がる仲間の輪だ。いつまでもいつまでも大切にしてほしいと思う。

ひとりでThe Blind Pigというバーで1614というフルーティなフランスビールを飲みながら、そんな昔のことを思い出したりして少しゆったりした時間を楽しむことが出来ました。
