Approach (開始)


素人の私がしかも香港という異国の地から日本のチームにましてや南アフリカ出身の選手をどのように紹介しろというのだ!無謀にも程がある。どうやって日本のチームにコンタクトして紹介していけばいいのか?ましてやトップリーグを香港からテレビで観戦している程度の知識しか持ち合わせていない私が彼の力になれるのだろうか?不安だった。そしてそんな私を頼ってくれているルークに対して申し訳ない気持ちの中、なんとか自分なりにできる限り日本のチームにコンタクトしてみようと決めた。3月12日、ルークと奇跡的な出会いを果たした私は自身の Facebook 上に日本でプレイしたがっている南アフリカ出身の青年がいること。みなさんの力を貸してほしいと投稿した。

ラグビー繋がりは素晴らしい。他のスポーツとしては野球しか経験がない私が言うのもおかしな気もするが、ラグビー繋がりは確実に他のスポーツのそれとは違っていると断言する。ラグビーを経験したものしかわからな何か不思議な連帯感がある。Facebook にルークのことをアップしてすぐに、面識もない Facebook 上だけラグビー繋がりの方から「◯◯◯というクラブチームでよければ紹介できるよ」と連絡があった。嬉しかった。本当に嬉しかった。この連絡でどれだけ勇気をもらえたことか!関西の「Iさん」本当にありがとうございました。

そもそも私は日本のラグビーの構造については何もしらないど素人だった。まぁ日本ラグビーフットボール協会があることは知っていたが、その下部組織として関東フットボール協会、関西フットボール協会、九州ラグビーフットボール協会が組織化されていること、さらにそれぞれの協会が運営するトップチャレンジ、トップイースト、ウェスト、九州が運営されていることをこの時に初めて知ったのだった。そしてこれらの組織に所属するチームのコンタクト先をネットを使って調べ始めた。各チームのホームページ上に書かれていた「お問合せ」「ご意見はこちら」といったコンタクト先やFacebook の応援ページなどをまずエクセルにまとめあげた。

Intention(意思)

LUKE と奇跡的な出会いを果たした私にはどうしても確認しなければならない事があった。それは LUKE の意思だ。本当に日本で、トップリーグでプレイしたいのか?その思いはどれほどのものなのか?どうしてもそれを聞かないと話は始まらない。そう思った。 翌日の3月11日 LUKE  から会いたいとWhatsApp経由で連絡があった。
to

「I need to talk to you for future.」 「I would like to know your intention to play rugby in Japan.」 すぐに LUKE から返事がきた。「I would be honoured to get an opportunity to play rugby in Japan.」 どこまで力になれるか分からない。でも、何とかして日本へプレイさせてあげたい。単純にそう感じた。
連絡を受けてすぐに会って話しをしたいという逸る気持ちを抑えて、以前から予定していたベトナム・ダナンへの家族旅行の後、3月19日6時に会う約束をした。待ち合わせに指定したのは私が香港で大好きなピザレストラン MOTORINO だ。余談だがここMOTORINOの石釜で焼き上げるピザは最高に美味しいと思う。中でもマルゲリータはお勧めだ。

MOTORINO:  https://www.motorinohongkong.com/location/soho/

2018年3月19日

会社から待ち合せしたお店までは約1時間1時間少しかかる。待ち合せした6時に少し遅れそうな時間だったのでそう連絡を入れておいた。6時10分ころ店に着いた。店に入る前に窓ガラス越しにLUKEがひとり、少し小さくなって何も注文せずにスマホをみている姿が見えた。緊張しているのかな?そう思った。聞くと30分も前に店に着いていたらしい。先にビールでも注文して飲んでるように言ったのだが、何も注文することなく私が来るまで待っていた。早く着いたんだね。というと「待ち合せに遅れては失礼になると思ったから早めに来た。」と言った。私の偏見かもしれないが、南アフリカの青年が失礼にならないように待ち合せに早めに来たと言ったことに驚いた。そういう感性を持っているのか?そう感心したのを覚えている。

LUKEには事前にメールで日本のトップリーグを含めてトップチャレンジや社会人ラグビーの図式を送っておいた。実は私自身、秩父宮でトップリーグは何度か観戦したことはあったが日本国内のラグビーリーグの組織はほとんど気にもしていなくて、まったくと言っていいほど知らなかった。LUKEに説明する必要性からトップリーグには何チームが所属していて、その下部組織としてトップチャレンジがあること、更には東、西、九州といった地域でリーグ戦が行われていることをその時初めて認識したのだった。
挨拶もそこそこに生ビールを注文しようとする私にLUKEは少し戸惑った様子で同じPERONIのドラフトビールを注文した。これも後から気づいたのだが恐らくアルコールは控えていたんだろう。戸惑ったにはこれからお世話になる私に従ったほうがいいのか?それとも自己管理のルールを優先すべきか、その戸惑いだったのだろう。さらに私はいつもようにマルゲリータとミートボールを注文して、まず、自分の紹介から始めた。自分も現役でラグビーをしていること、GAVINと会ってLUKEの力になってくれと頼まれたこと、電車で奇跡的に出会えて嬉しかったこと等をつたない英語で話をした。LUKEはそんな私の英語を聞き漏らさないようにと注意深く聞き入っていた。

日本のラグビー環境について一通りの説明をした。当然ながら、素人の私がしっているだけの情報なので十分であったとは思っていないが、それでもLUKEは真剣だった。そして日本でプレイしたいのかいと聞くと、YES と答えた。そしてこうして初めて会った私に生まれたのはナミビアであることやプライベートなことも含めてゆっくりと話してくれた。話の中には恐らく話したくなかったであろうことまで話をしてくれた。ここではその内容までは触れないことにしようと思っているが、でも、大袈裟ではあるが生きていくためのひとつの手段として日本でプレイすることを心から願っているんだと思った。

Curriculum Vitae(経歴)

ここで改めて私が応援する南アフリカ出身の若い青年 Mr. Luke-Kyle Van Der Smit について書いておきたい。南ア、プレトリア大学出身、1994年6月29日生まれ、24歳だ。身長 185 cm、体重 110 kg、ポジションはフランカー(FL)、健康状態はエクセレントと自身でCVに書いている(笑
2012年南アフリカカレッジスクールを卒業後にプレトリア大学に進学した。
以下、ルークのラグビー経歴です。

  • Western Province Rugby academy week (captain)- 2012.
  • Western Province Rugby schools 7’S (captain)- 2012
  • Western Province Rugby Currie cup U19- 2013
  • Western Province Rugby Currie cup U21- 2014
  • Western Province Rugby Currie cup U21- 2015
  • Western Province Rugby Vodacom Cup- 2015
  • Varsity cup (TUKS)- 2016
  • South Africa 7’S Academy- 2016
  • Eastern Province Kings 7’S (captain)- 2016
  • Eastern Province Kings Currie Cup-2016
  • Hamiltons Rugby Club – 2017
  • HKCC (Hong Kong Crocket Club) – 2017

 

GaiWu Blossoms

香港のラグビーリーグについて少し紹介しようと思う。香港のラグビーリーグはHong Kong Rugby Union によって8つのカテゴリーで、9月末から翌年の2月末頃までの間でリーグ戦と決勝トーナメントが行われる。
最上位は Men’s Premiership で、順に Men’s Premiership A、
Championship、Championship A、National League 1〜4と続く、
他にもWomen’s Premiership、Woman NL 1〜2 があって、学校単位の
チームやジュニアクラスもあって年間を通してしっかり管理・運営されている様子には関心させられる。シーズンが始まるとほぼ毎週土曜日に複数のグランドで各カテゴリー別に試合が組まれることになる。

私が所属している香港在住の日本人ラグビークラブ GaiWu Blossoms (旧GaiWu Japan)は香港人のラグビークラブ GaiWu の中の日本人を中心にしたチームだ。ちなみに GaiWu とは香港麻雀のなかで一番弱い「役」の名前らしい。毎週火曜日と木曜日の夜に練習をして9月末からのシーズン開幕に備える。GaiWuのホームグランドは、という香港島の中心部 Causeway Bay の香港競馬場、その馬場の中にあるHappy Valley Sport groundだ。全天候型の人工芝のグランドと天然芝のグランド合わせて計11面ものスポーツグランドがある。GaiWu Blossoms がホストとして組まれて試合はこの Happy Valley Sport ground で行われることになる。

シーズン前のこの時期から毎週火曜日と木曜日の夜8時〜9時半までと、週末の土曜日もしくは日曜日の1時間半に練習をしてシーズンインに備える。