GaiWu Blossoms 7 – 5 Valley Griffins
本当に痺れる試合だった。過去、こんなに痺れた試合があっただろうか?
2011年から続けている俺の記憶の中でこれほど冷静にそしてこんなに痺れた試合はなかったと思う。ここまでの順位、GaiWu Blossoms はコミュニティリーグ-1 の12チーム中4位、なかなかの成績だ。今日の相手はひとつ上の3位につけるValley Griffins 西洋人の大柄なフォワード主体のチームだ。
1 Polics RFC
2 Natixis Hong Kong Football Club
3 Societe Generale Valley Griffins
4 GaiWu Blossoms
5 Vistra Typhoons T3
6 Borrelli Walsh USRC Parents
7 Kerry Hotel Kowloon Beavers
8 Kerry Hotel Kowloon Barbarians
9 Plastic Free Seas City RFC 3
10 Herbert Smith Freehills HKU Sandy bay Mauraders
11 Bloomberg HK Scottish Phenix
12 SCAA First Pacific CWB Marines
試合開始後、10分ころまではお互いに攻め込んだり攻め込まれたりの攻防が続いた。相手はサイズを活かしてフォワード主体でラック越しに次から次に突進してくるフォワード主体のチームだった。試合前のミーティングで話し合っていた通りの攻撃だった。相手陣地の右 22m のラックから出たボールを SO が相手のディフェンスラインのギャップの裏をついてゴール下に先制トライ!その後のコンバージョンも決めて 7-0 といい感じにチームの雰囲気もあがった。先制はしたものの大きな体で次々にせめてくる相手を必死に止めるだけの時間がしばらく続いた。そして前半終了間際になってなんどもゴール前に攻め込まれて右隅にトライを決められてしまった。決してディフェンスが緩んだわけではなかった。コンバージョンは外れて前半を7 – 5 で終えて2点のリードだ。ハーフタイムでは、無駄に反則を取られないこと、ノットロールアウェイ、オーバーザトップ、それからコミュニケーションの徹底、周りの声を聞くなどの注意点を共有して後半に望んだ。
実はここからが痺れの始まりだった。敵陣深く攻め込んでもなかなかトライが取れない、相手に攻め込まれても何とかぐしゃぐしゃになりながら声を掛け合って皮脂に大きな相手を止める。キックで陣地を挽回してはフォワードのモールの塊に攻め込まれて押し返される。相手バックスに左隅を走りこまれては、FBの一発のタックルでしのいだりと痺れる攻防が後半になってずっと続いていた。そして後半35分をゼロに抑え切って勝った。試合後の全体写真を見ると全員がまるで優勝したかのような満足感で笑顔になっていた。
試合のあと俺はひとり自宅へ帰る電車の中で今のチームについて考えていた。4連勝だ。2011年にチームに加わって経験していない勝利だ。連勝だって明確に思い出せないくらいだ。ここ数試合を振り返ってみてふと気づいたことがあった。今のチームが強くなっている理由は「必然」なんじゃないかと。。。強くなっているから必然的に勝利しているんじゃないかと思った。ラグビーというスポーツはよほどのことがない限り「番狂わせ」は起きないスポーツだ。実力が強いチームが当然勝利する場合が多い。2015年の日本と南アフリカの試合が大きく注目されたのはその番狂わせが起こったからだ。
それじゃ今のチームは何が変わったんだ?自問してみた。冷静に振り返ってみると今日の試合には有力なメンバーが参加していない。フォワードで言うと、地味にタックルでチームを救うフランカーK原、プロップ、ロックN藤、若いフランカーN岸、プロップH、フランカーO崎、バックスではセンターA田、トライゲッター斎藤大樹、WTBM本 他にも数人が欠席していた。確かに経験者の加入は大きな変化だし強くなった大きな要因だと思うし、チームメンバーのそれなりのスキルの底上げもあるだろう。でも一番変わったのはチームとしての「意識」なんじゃないかと思う。今のキャプテンの体制になって3シーズン目だ。過去2シーズンは勝つこともままならない状況は続いた。それでもみんなで35度近い真夏に集まってそれなりにハードな練習をつんで走り込んだ。場面場面での対応の仕方、こういう時にはこうする、オフサイドの再確認からボール争奪戦などいろんな練習に取り組んできた。確かにスキルや知識は成長したと言える。ただ、俺が思うに一番大きく成長したのはチームの統一した意識ではないかと思う。チームとしてこうする、今日の相手はこうだからこう言うふうな攻め方をするとという共通意識をチーム全員が理解してそれを実行しようとする。具体的にいうと無駄にラックに入るな横に広がってディフェンスにあたれ、以前はこんな指示を受けても多くがラックに残った状態になっていた。ノットロールアウェイも同様だ。何度注意されてもペナルティを取られてしまう。フォワードは孤立するな!そう言われてもモールから勝手にひとりでピックアップして突っ込んで孤立してジャッカルされて相手ボールになる。言われて理解はしているがそれができない。そんな状態だった。スキルは練習したからと言っておっさんたちが劇的にうまくなるはずはない。でも、理解して意識することはスキルと違ってチームとして確実に成長できるじゃないだろうか。今日の相手は西洋人中心の大柄なおっさんたちだ。フォワード中心でくる。耐えてバックスに展開して攻めれば勝てるといった戦術をチームで意識を統一して戦えるように成長した結果の必然的な勝利なんじゃないだろうか!試合中誰からともなく声が飛ぶ、ラック入るな捨てろ、ハルキ行くな!ラインにとどまれっ!前に出ろっ!自然に士気が高まる。そのチームとしての意識統一の結果の必然の勝利なんじゃないだろうかとそう思った。
シーズン第7戦目はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=v7M6GkSMviI