雨、いつものハッピーバレーのピッチに着くといきなりの土砂降りになった。いつもは8月の日差しよけのテントの中でみんな今日の練習は無しやなぁと冗談まじりで話しながら笑いあっていた。
雨の中での練習になるたびに俺は必ず高校時代のことを思い出す。佐世保西高等学校ラグビー部、雨が降り出した午後の授業の終わりころにチームメイトから「今日、赤鬼来るって!」って噂が回ってきた。「うっそぉだろ?」「本当にっ?」「うん、青鬼も一緒だって」「えぇ〜っ(><)」授業が終わって雨が降るなか校舎の裏手にある部室にいくと赤鬼と青鬼が立っていた。「はよぉ着替えろっ!」言われるままに臭いジャージに着替えて雨が降りしきるグランドへ!この赤鬼と青鬼は西高ラグビー部のOBで、福岡工業大学のラグビー部だった。1本目だったかどうかは当時は知らなかった。覚えているのはとにかく「怖かった」ってことだけだ。大学の試験休みなのか、練習の合間に休みがとれると母校に帰ってきて現役の選手たちをシゴくことを楽しそうにやっていた。雨が降った日は最悪だった。その日、集まった現役の選手たちは7〜8だったと思う。要領のいいやつは授業が終わってすぐに帰っていた。雨が降りしきるなかグランドに集められた俺たちは、傘をさしながら赤鬼がグランド中央に蹴り出したボールめがけて走っていってセービングをさせられるのだ。合図のあとに「うぃ〜っすッ」と大きな声を出して雨でぬかるんだグランドを走っていってただボールにセービングする。泥と水しぶきが周りに飛び散っている。わざと水たまりが出来た中にボールを蹴り入れる。順番にセービングする。下校途中の生徒たちが笑いながら見て横を通りすぎていく。職員室からもグランドは丸見えなのにラグビー部の顧問の中尾先生さえ止めさせようすることはなかった。雨の日の練習になるとあの時の赤鬼と青鬼のことを思い出す。
今日はそんなことを思い出しながらの練習だった。こんな雨の中でも17人ものラグビー好きが集まった。土砂降りで雷が時折響くなか走り回っていた。日々の生活のことから解き放たれてただボールを追いかけて走る、走る、そしてみんな笑顔になる。やっぱりラグビーっていいなと思う。練習後の飲みもまた楽しい。最高にいい仲間たちだ。でも今日のスパークリングワインはちょっとヤバい!飲みすぎた。途中、日本に帰任した高原にも電話して迷惑かけた。反省!「ごめん、許せ高原!」