嗚呼、後悔の罪深きキック

僕はボールをキープして核となったまえのラックから少し遅れて立ち上がった。『しまった、出遅れた』そう心の中で思いながら3フェーズ目となく左オープンに敷かれたアタックラインの一番左端にのこって身構えていた。右斜め前方のラックで地面にボールをつけたままSHのヨッシースミスが首を左右に向けながらブランドサイド、オープンサイドの敵陣を確認しているのが見える。そして相手ディフェンスが前に出てくるタイミングを一瞬ずらすようなに首だけでフェイントをかけてから素早くオープンサイドにボールを飛ばす。ボールを受けたフライハーフが前に出る間もないくらいに相手のあがりも早い。それでもボールは自分で意思をもっているかのように第一センターと第二センターと渡ってウィンガーまではじかれた。若干フォワードパスっぽく見えたがレフリーの笛は無い。と思った瞬間、ウィンガーが伸ばした手の先を素通りしたボールが僕の前に点々と転がってきた。前のラックからほどけたフォワードが何やら大きな声で激を飛ばしながらフォローのために走り寄ってくるのが右目の端に映りこんでいるのが見えた。ボールは無常にもサイドラインに向かって不規則な転がりを続けている。何とかその手前で追いついた僕は素早くボールを拾い上げた。相手ウィンガーがすでに目の前に迫ってきた。とっさに僕は何を思ったかそのボールを蹴ってしまった。今思い返してもなぜ蹴ったのか分からない。ボールを受けた相手にオープンサイドを走り切られてトライを許してしまった。罪深きキックとみんなに揶揄された昨日の練習でのタッチゲームでの一幕でした 🙂

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です