香港で今

私が住んでいる場所は香港の東側、将軍奥という場所です。日本領事館からメールで提供されていた注意情報どおりデモ行われていた。住んでいるマンションは駅ビルの上層階だ。駅の改札からエスカレータをあがった2階にはスターバックスがある。10時半過ぎ、まさかと思って見に行った。オープンテラス席は無残にも荒らされ放題だった。レジのパソコンの画面はひび割れていた。同じフロアーにある元気寿司、吉野家、優品360といった中国系のオーナーの店は軒並み呪撃されていた。中国銀行も例外ではない。

 

1階部分から赤色灯とともに警報音が聞こえてくる。もしやと思って改札へエスカレータを降りていくと改札前のシャッターが降りている。

数人の香港人の大人がスマホで写真を撮っている。改札横のバスターミナルの入り口から駐車場を抜けて大通りに出てみることにした。大通りにでる手前の駐車場の脇で黒いマスクに黒いTシャツの若者数人とすれ違った。少し怖さも感じた。黒いマスクで隠されていて表情はわからない。通りに出る手前から「ガァーン、ガァーン」と不定期に大きな音が聞こえていた。なんなんだろう?みると2車線の大きな交差点が黒い服装の若者たちで覆い尽くされていた。

ちょうど交差点の中に少しスペースができていて、その中で二人の若者が鉄の棒で信号機を破壊していた。鉄の棒を振りかぶって頭上にある信号機を叩き壊している。残っている信号機を叩き落とすと周りから歓声があがる。「加油!加油!」の声に混じっていろんな掛け声がいたるところから湧き上がる。香港に自由を!きっとそう叫んでいるんだろう。ここに集まった若者はいったい何を思って集まっているのだろうか?しゃがみこんでスマホを見入っているものもの横で必死で呼びかけるものもいる。鉄の棒で信号機を壊す様子をみて拍手するものもいる。深夜のコンビニの前に集まる若者のようにも見えた。

私の住んでいるこの地域は中心部からは少し離れた住宅街だ。郊外にできたショッピングモールを中心に開け始めたところで田舎要素もあるところだ。にも関わらずこれだけ多くの若者が集まって政府に対して抗議の声をあげる。

私が駐在員として香港にきたのは2008年1月だった。11年前には街中を歩いていても中国の標準語であるマンダリンを聞くことは少なかった。それが今は街中をあるいていてすれ違いざまに聞こえてくるマンダリンがなんと多いことか!香港の人口は700万人だ。そのうちすでに約300万人が大陸からきた中国人だそうだ。

日本のテレビ局が香港の今を特集で報道していた。その中の街灯インタビューで親中派(中国を支持する香港人)のおじさんが答えていたいた言葉が印象的だった。「自由は食べられない」日本のテレビ局が向けたマイクに向かって力強くそう言ってのけた。香港が変わっていく。